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バッティングの為の下半身トレーニング 第2部

野球に特化したトレーニングの方法ですが、野球だけに限らず、皆さんが取り組んでいるスポーツのお役に立てれば幸いです。

今回はバッティングの為のトレーニング2部目になります。

 

皆さんは、バッティングをする時に『おへその前で打つ』と言った話を聞いた事はあるでしょうか?この『おへその前』と言うのは人間の身体の構造上、最も力を発揮出来る場所です。

重い物を持ち上げる、押す、引く、と言った動きの中で想像してみてください。綱引きをしている姿、引っ越し業者の荷物を持っている姿、力士の立ち合いの姿、力を発揮したい対象物の線上には『おへそ』がある事がわかります。身体の正中線から対象が外れてしまうと力は上手く伝わらないのが想像出来ると思います。

バッティングにおいても身体の正中線を意識してスイングをし、ボールを捉える事は強い打球を打つことが出来ますし、ミート確率も上がってきます。

 

しかし、バッティングをする時はどうしても身体が回旋してしまいます。身体が回るとおへそはボールではなく投手の方を向いてしまいます。なので、バッティングは横に押す力が必要になります。押す力と回る力を上手く合わせて使う事が大切です。

その為には体幹や股関節の動きが重要になってきます。そして、上半身と下半身の動きのタイミングです。少し難しいですが、骨盤の絞りに内・外復斜筋が反応して回旋が始まります。腹直筋で上半身の姿勢を保ちながら腕がインパクトに向かって動き出し、その瞬間に回旋運動と逆方向に下半身の力を働かせるとスイングの完成です。

それを動きが完全に止まることのないタイミングで行うと、力強いスイングが出来ます。

この動きを簡単に言うと、まずイメージして欲しいのは、ツイストダンスです。皆さんはツイストダンスと言うものをご存じでしょうか?上半身は右に下半身は左に交互に捻じるダンスが60年代前半に流行しました。そのツイストの動きと股関節の絞りが理想のスイングを生み出してくれます。

この動きをする事によって正中線がズレずに綺麗なスイングをすることが出来ます。

 

下半身の安定感があれば、正中線も崩れずにツイストの動きも行うことが出来ます。その動きが速く正確に行う事が出来るのであればスイングスピードは間違いなく速くなります。もちろんバットのヘッドを走らせる技術的な事はありますが、根本的なスイングスピードを上げる為には下半身の安定感と正中線とツイストは必要な動きになります。

この動きを実現させる為に、今回は内転筋群(太ももの内側)とお尻とお腹のトレーニングを紹介していきます。

 

その前に、素振りの時の注意点があります。これが出来ると、今回のトレーニングの効果もしっかりと実感できるはずです。

『構え→テイクバック→ステップ→トップ→スイング』の流れがオーソドックスな流れだと思います。もちろん早めにトップを作る人もいますし、テイクバックとトップを一緒にする人もいます。「いつでもスイングできますよ」と言う部分がトップであり、どの過程で作るかは個々の特徴になります。ただ、1つ言える事は『1つの過程を疎かにすれば次の過程が崩れてしまう』と言う事です。トップが作れていなければスイングはできませんし、テイクバックが出来なければステップはできません。ただバットを振るだけなら誰にでも出来ます。自分がどのようにスイングしているか本当に理解している人は少ないものです。ゆっくりとスローモーションでスイングをしてイメージ通りにスイングが出来てきたら、そのスピードを徐々に上げていくとイメージと身体のズレは埋まってきます。

その時に、スイングの過程がしっかりと定まっていないと、スピードを上げていく作業は難しくなります。そうなるとヒットやホームランと言った結果が出る確率は極めて低くなってしまいます。

 

 

【トレーニング方法】

今回は、内転筋群と大・中殿筋のトレーニングをしていきます。2つの筋肉を合わせて使うトレーニングですが、内転筋群だけに刺激を与えるトレーニングもあります。どれもテイクバック→ステップ→トップ→スイングとスムーズに且つ力強く行える為のトレーニングです。

ツイストの話もしたので内・外復斜筋(お腹)のトレーニングも少しご紹介します。

今回も器具を使わないトレーニングですので、是非チャレンジしてみて下さい。

 

 

  1. この動画では、肩幅よりも少し広めに足を開きお尻を落としていきます。内股にならないように注意して下さい。立ち上がる時は平泳ぎの様に、太ももの内側を絞るように立ち上がります。

 

  1. この動画では、先程の動画の横からのアングルになります。膝とお尻が平衡になるぐらいお尻を落とします。身体は前に倒しすぎないように注意です。この動きが出来るとスイングの時の安定感が出てきます。

 

  1. この動画では、ツイストの動きを意識して行ってください。前に出している足は外に絶対に開かないようにする事と、身体をまっすぐにしてお尻で身体を支えて行ってみましょう。

 

  1. この動画では、曲げている足の外側に頭や身体がハミ出ない様に行ってみましょう。この動きが出来る様になるとツイストの時に正中線が綺麗に保てるようになります。

 

  1. この動画では、腕は足の外でも中でもどちらでも大丈夫です。ジャンプが出来なければ通常のワイドスクワットから始めましょう。ワイドスクワットの注意点を意識してチャレンジしてみましょう。

 

  1. この動画では、太ももの内側を意識してください。お尻を持ち上げた時に身体が『への字』になる様に意識してお尻を持ち上げます。出来る方は曲げている足を前ではなく、後ろにしてみましょう。(かかしの様な体勢です)

 

  1. この動画では、お腹のトレーニングです。お尻が下がらない事と腕が地面から離れない様に注意して下さい。

 

【意識したい筋肉】

 

内転筋群(短・長・大内転筋)

短内転筋

機能:股関節の内転

   股関節の内転に伴う股関節の外旋

長内転筋

機能:股関節の内転

   股関節屈曲の補助

大内転筋

機能:股関節の内転

   股関節の内転に伴う股関節の外旋

 

大殿筋

機能:股関節の伸展

   股関節の外旋

   股関節の内転の補助

 

中殿筋

機能:股関節の外転

   股関節の外転に伴う股関節の外旋

   股関節の内旋